学位論文

CO2センサを用いた車内人検知システムの検証

土取 嵩
環境センシング
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Abstract

近年,車内に子どもが放置される事故が問題となっている.こういった事故を防ぐために,車内で 取り残された子どもを検知し,自動通報などを用いて周りに伝えるシステムが必要である.人を検知 するセンサには人体が発する赤外線を読み取るセンサ(焦電型赤外線センサ) と,カメラなどがある. しかし,どちらの手法も車内にて死角をなくすために,複数のセンサが必要であり,コストが高くな る,設置が大変になるなどのデメリットがある.そこで本研究にて,車内に放置された人をCO2 セ ンサを用いて検知するシステムを提案する.CO2 センサはビルなどの室内での居室人数推定や室内 の換気システムなどに活用されている.本研究では,これを自動車に適用することで,取り残された 子どもを認識し,事故を防止することを目的とする. 本研究では,大きさの異なる3 種類の車を用いて,4 つの検証を行った.検証1 では,空調オフの 状態と空調オンの状態におけるCO2 濃度変化を計測した.検証2 では,測定場所の影響がないこと を調べるため,車内の複数の場所におけるCO2 濃度変化を計測した.検証3 では,窓を少し開けても 換気の効果がないことを示すため,4 通りの窓の開閉具合におけるCO2 濃度変化を計測した.検証4 では,実際に人が放置された場面を想定し,人が降車した場合におけるCO2 濃度変化を計測した. 検証の結果として,軽トラックなどの体積の小さい車種の空調オン(外気導入) の状態を除いて, CO2 センサで人を検知できた.そして4 つの検証より,CO2 センサを用いて人が取り残されている ことを伝えるシステムを構築できることが分かった.

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Information

Book Title

神戸高専卒業論文集

Volume

2022

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土取 嵩, CO2センサを用いた車内人検知システムの検証, 神戸高専卒業論文集, 2022巻, 号,