ハンドヘルドVRコントローラにおけるソレノイドを用いた触覚フィードバック

バーチャルリアリティ（VR）において, ハンドヘルドVR コントローラに内蔵された振動モータを 用いた触覚フィードバックが広く用いられている. 振動触覚のみでは触覚フィードバック表現が単調 であるため, 他にも組み合わせ可能な触覚フィードバック手法が多く提案されているが, 手で持てる 規模を超えた大掛かりな仕組みを伴うものが多い. そこで本研究では, コントローラに搭載可能なソ レノイドを用いた衝撃による触覚フィードバックを提案する. 提案手法はソレノイドをコントローラ 上に固定具を用いて固定し, その固定具にソレノイドの可動部を高速で撃ち付けることで触覚フィー ドバックを行う. そのため, コントローラ上のみで完結し, ユーザに負担の少ない, 振動とは異なる触 覚フィードバックとして動作する. また提案手法を用いて, “剣で相手の攻撃を弾く”, “弓で矢を撃 つ”, “バットで球を打つ”といったVR 体験用のデモアプリケーションを制作した. これらのデモ アプリケーション内で手に衝撃が加わるタイミングで, 提案手法によって実際に衝撃を与え, その際 のユーザ満足度を実験によって検証した. 実験にて, ソレノイドおよびソレノイドと振動を用いた触覚 フィードバックでは, 触覚フィードバックなしおよび振動のみを用いた触覚フィードバックよりも高 いユーザ満足度を得られることが示された.